NOTHING IS REAL

ディスクレビュー

Crumbling The Antiseptic Beauty / Felt(1981)

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UK80年代インディー・ロックシーンと言えばニューウェーヴネオアコなのだが、このFeltもその分類に含まれるバンドだ。

チェリーレッド・レコードから出されたCrumbling The Antiseptic Beautyは1stで、全6曲。

Joy Divisionを彷彿とさせるような、どこか陰鬱な表情をたたえているアルバムだ。

幕開けを飾るインスト・ナンバー、Evergreen Dazedはギター2本で演奏されているのだが、荒涼とした美しさをもつ名曲である。

5分間集中して聴けるインスト楽曲が1stに収録されているバンドって結構すごいんじゃなかろうか?

ただ、このアルバムを覆う、気だるく、暗い雰囲気は、二曲目以降、ボーカルが入ってからに顕著なように思われる。

ボーカルのローレンス・ヘイワードはThe Televisionの大ファンだったらしく、歌い方もかなり影響を受けているとあちこちで見たのだが、トム・ヴァーレインの方がまだ歌う気があるな、というのが個人的な感想です…

声質なんかはジザメリジム・リードにも似ている感じがします。

とにかく投げやりでボソボソ呟くようなボーカルがFelt特有の雰囲気づくりの鍵になっているのではないでしょうか。

ネオアコのレーベルは数あれど、こういったカラッとしたパンク寄りのDIYサウンドはチェリーレッド、強いですね!